社長のつぶやき⑥

今世間ではSDGs流行りで、あるT V局ではSDGs週間を設けたり、某新聞では毎日のように多くの企業が自社の行動規範にSDGsを取り入れている様子が記事になるなど、まさに百花繚乱の如く、メデイアでの露出が増えています。

ここでは、そのSDGsのポイントとなる大事なことを確認しておきたいと思います。

それはこの17の現代的テーマ群に共通するのは、自分たちの一人ひとりの行動の集合体が大きく社会全体、引いては地球的規模のひずみを作り出していると言うことです。その自覚を前提に、SDGs の17の目標に対し自分たちがどう関わっているのか、なんだかすごく難しいと感じている方に幾つかの目標を一緒に考えていきたいと思います。

『目標1:貧困をなくそう』『目標10:人や国の不平等をなくそう』です。

大きく漠然としたテーマに思えますが、日本は他人事ではありません。

なぜなら貧困には絶対的貧困と、もう一つ相対的貧困があります。

絶対的貧困は生きるうえで生活水準が満たされていない状態を示します。

世界銀行などが世界的な貧困層を把握するための指標、国際貧困ラインを一日1.90ドル未満(約200円)で生活する人々としています。また多次元貧困層という、経済的問題だけでなく、保健、教育、所得を指標に多様な貧困問題を同時に抱えていることも明らかにしています。主に南アジア、サブサハラ・アフリカなどの途上国に集中しています。

因みに一方では超富裕層の純金融資産50億円以上の人は現在約13万人います。世界に住むほんの一部の人が富を独占している現状です。

絶対的貧困より可視化されにくいのが相対的貧困です。これは国内の所得格差です。簡単に言えば、手取り収入を世帯人員で割りその額が中央値の半分未満である人の比率です。(日本では年収122万円以下の世帯)表面に表れにくいもので、日本を初め先進国に存在している深刻な問題なのです。日本の相対的貧困は先進国35カ国中7番目に位置しており(G7では2位)10代後半から20代前半の若者、70代女性(4人に1人)ひとり親世帯(50%超え)子供は7人に1人が貧困状態に陥っています。そして日本の路上生活者は2019年4,555人、生活保護受給者は216万人、昨年コロナ禍で231世帯増加しました。これは仕方のないことでしょうか? 調査では情報弱者は勿論のこと、各家族で人との繋がりが希薄となり孤独化が進んだことも貧困の原因と言われています。自分の身近に生活苦や病気に苦しんでいる人がいるかもしれない、少し周りを見渡して思いを寄せてみて下さい。あなたの声かけを待っている人がいるかもしれません。

あらゆる場所のあらゆる形態の貧困の終息を標榜するだけではなく、私たちは一人ひとりが身近な問題と捉えてS D G sを考えて参りましょう。